チューインガムとマイクロプラスチック:知られざるリスクの実態

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マイクロプラスチックが問題視されている現状

近年、私たちの生活に密接に関わる製品の中に、予期せぬ健康リスクが潜んでいることが明らかになってきています。その一例が「チューインガム」です。これまでチューインガムといえば、口臭対策や気分転換の手段として気軽に利用されてきたものですが、最新の研究によれば、そのガムを噛む行為によって、微細なプラスチック粒子=マイクロプラスチックが体内に取り込まれている可能性があることが報告され、世界中で波紋を呼んでいます。

マイクロプラスチックとは何か

まず、マイクロプラスチックとは何かを簡単に説明しましょう。マイクロプラスチックとは、5mm以下の非常に小さなプラスチック片のことで、主に二種類に分類されます。一つは製造段階から既に微細な形状で作られる「一次マイクロプラスチック」、もう一つは大きなプラスチック製品が風化・劣化して微細化した「二次マイクロプラスチック」です。これらは水道水や海産物、さらには空気中からも検出されており、現代人は無意識のうちに摂取している可能性が高いといわれています。

ガムとマイクロプラスチックの関係

さて、本題のチューインガムに含まれるマイクロプラスチックについてですが、2025年3月、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが発表した論文によって、その実態が初めて明確に示されました。

この研究では、市販されているチューインガム10種類(合成ガムと天然ガムの両方)を使用し、被験者がそれらを実際に噛んだ際に、唾液中に放出されるマイクロプラスチックの量を計測。その結果、1グラムのガムから平均で約100個、最大で637個ものマイクロプラスチック粒子が検出されたのです。特に、噛み始めの最初の8分間で、全体の94%もの粒子が唾液中に現れるという結果は、非常に衝撃的でした。

この粒子は、主にポリエチレンやポリプロピレンなどの石油由来の合成樹脂で構成されており、これまでガムに「ベース」として含まれていることは業界でも知られていたものの、その物質が実際に体内に取り込まれる可能性について、一般にはほとんど認識されていませんでした。

合成ガムだけでなく、天然ガムにも…

さらに興味深いのは、マイクロプラスチックが検出されたのは合成ガムだけではなかったという点です。チクルなどの植物由来素材を使って製造される「天然ガム」でも、同程度の粒子が確認されたのです。研究チームによれば、これは製造・加工の過程で機械や空気中からマイクロプラスチックが混入している可能性があるとのことです。

つまり、「天然だから安心」とは言えない状況になっているのです。

マイクロプラスチックが人体に与える影響

では、このように体内に取り込まれたマイクロプラスチックは、人体にどのような影響を与えるのでしょうか。

現時点ではまだ完全に解明されているとは言えませんが、既存の研究では以下のようなリスクが指摘されています。

  1. 炎症反応の誘発:マイクロプラスチックが体内に侵入すると、免疫系がそれを異物と認識し、慢性的な炎症反応を引き起こす可能性があります。
  2. DNA損傷のリスク:一部の動物実験では、プラスチック粒子が細胞内に入り込み、DNAにダメージを与える恐れがあると報告されています。
  3. 内分泌かく乱物質(環境ホルモン):プラスチックにはビスフェノールA(BPA)などの化学物質が含まれており、これがホルモンバランスを乱すことが懸念されています。
  4. 蓄積の問題:体外に排出されずに体内に残留した場合、長期的な健康リスクを高める可能性があります。

これらのリスクは、現時点ではまだ「可能性」に過ぎませんが、慎重な姿勢をとるに越したことはないでしょう。

ガムの環境への影響も深刻

チューインガムは健康リスクに加えて、環境にも悪影響を与えていることが知られています。特にイギリスでは、年間40億個以上のガムが消費されており、これが街中の舗道や建物にこびりつき、清掃費用は年間数十億円規模にも上るといわれています。

また、プラスチックを含むガムは自然環境下で分解されにくく、長期的に残留して野生動物が誤って摂取するケースも報告されています。

消費者ができる対策とは

こうしたリスクを前に、私たち消費者ができる対策はいくつかあります。

  • ガムの消費を控える:最も直接的な方法です。口寂しさやリフレッシュ目的でのガムの使用を見直し、他の手段に置き換えることが推奨されます。
  • 成分を確認する:ガムの成分表示をよく確認し、「ガムベース」に何が使われているかを把握することが大切です。ただし、多くの製品では具体的なポリマー名が伏せられているため、完全な透明性は期待しにくいのが現状です。
  • 代替品を選ぶ:最近では、植物由来成分のみを使用し、プラスチックを含まない「ナチュラルガム」や、キシリトールタブレットなどの代替製品も登場しています。こうした製品への切り替えも一つの選択肢です。
  • 適切な廃棄:使用済みのガムは必ずごみ箱に捨てること。道端に吐き捨てることは、環境だけでなく他者への迷惑にもなります。

結論:知ることから始めよう

チューインガムに含まれるマイクロプラスチックの問題は、決して一部の国や特定の製品に限った話ではありません。これは私たちの日常の中に潜む「見えないリスク」であり、今後の消費行動や政策の方向性にも大きな影響を与えるテーマです。

今すぐにガムを完全に排除すべきとは言いません。しかし、こうした情報を知った上で、自らの選択を見直すことが求められています。生活の中に潜む「当たり前」を問い直すことが、健康と環境を守る第一歩となるのではないでしょうか。

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